作詞入門講座 2

【目次】

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内容
  第1回 1 sakushi-1  「歌作り(作詞/作曲)」について
  第2回 2 sakushi-2  「作詞」について 【詳細】
  第3回 3 sakushi-3  「その他」





2
「作詞」について









。 「作詞」について      

  

1。 「作詞」について

■ 「作詞」について

  ・「作詞」関係について、「苦手」な方。 これから始めたい方。 「入門・初心」者の方などを対象に、少し、
   細かく書いてみたいと思います。

   「作詞」の参考書は、多数、売られていますので、具体的な内容は、参考書を読んでいただくとして、
   「作詞」の概要(アウトライン)と、ポイントを簡単に書いてみたいと思います。

   「作詞」のやり方は、書籍が多数あるように、「作曲」と同様、「音楽のジャンル」や「目的」。「スタイル」は
   「好み」によるので、結局は、各自、「自分のスタイル」を見つけるしかないと思います。

   また、「作詞」の本は、作詞の「ノウハウ(方法)」の段階の内容が書かれていますので、その「前段・土台」
   となる「国語力」がないと、「作詞」の本を買って読んでみたけれど、結局、「作詞ができない」となってしまう
   と思います。 ということで、「国語・現代文」。「小説」も含めて書いてみたいと思います。

   さらに、ついでではありますが、関連の深い、「シナリオ・脚本」についても、簡単に付け加えてみました。







2。 「作詞」関連      

  

1。 「曲先と詞先」。 作詞の「雛形」について

■ 「曲先と詞先」。 作詞の「雛形」について

  ・まず、作詞する場合、

      @。「曲先」である、 まず先に「曲」を書き、 それに対して「詞」を書く場合と、
      A。「詞先」である、 まず先に「詞」を書き、 それに対して「曲」を書く場合があります。

   自分の歌を、「作詞・作曲」の両方をやる場合は、好きな順番でいいです。
   ただ、「詞先」の場合は、注意が必要です。

   「作詞」とは、「自由詩(ポエム)」と違い、制限なく自由に書くことはできません。
   「音楽(曲)の形式」というものがあり、その制限の中で収まるように、まとめなければなりません。

   「音楽(曲)の形式」とは、例えば、曲が「2番」まである場合でしたら、そこまでが限度ですから
   この中に丁度収まるように、書き上げる必要があります。


   では、具体的には、どのような枠に収めたらいいのでしょうか?  それは、大変難しい質問です。
   とにかく、歌とは、「作曲」との共同作業ですから、「曲」との兼ね合いを考慮するわけなんですが、
   その「曲」も、決まった「形式」は、実はありません。 最終的には、「自由」です。

   しかし、だからといって、「でたらめ」であるとか、「無制限」というわけでもありません。
   ということで、それでは、説明のしようがありませんので、「基本的」な場合を例に考えてみます。
   そうしますと、「一定の形式」。というものがあります。


   それは、「音楽形式」の「3部形式」というものがありますが、それを応用したものが、「四行詞」です。

      1番 = 「Aメロ」+「A'メロ」+「Bメロ」+「Cメロ」 = 四行詞

   「各メロ」は、「一行の詞」に相当します。 ですので、合計すると、「4行」となります。
   すなわち、「四行詞」といわれる書き方が、代表例です。


   ですので、2番まである歌を書く場合は、単純に、2倍となりますから、

      1番 = 「Aメロ」+「A'メロ」+「Bメロ」+「Cメロ」 = 四行詞
      2番 = 「Aメロ」+「A'メロ」+「Bメロ」+「Cメロ」 = 四行詞

   ということで、合計「8行」の詞を書く。となります。


   では、「1行」は、「何文字」でしょうか? これも、「決まっていません」。
   それでは、書きようがありませんので、「仮」に決めるとすると、私の場合ですが、「七五調」でやっています。

      1行 = 7+5 + 7+5 (計24文字) = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○

   「○ = 1文字」 です。 ということで、「1行」当たり、「七五七五」の、計「24文字」となります。
   ですので、これを、2番まである歌謡曲にする場合は、


      1番 Aメロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
      1番 A'メロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
      1番 Bメロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
      1番 Cメロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○

      2番 Aメロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
      2番 A'メロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
      2番 Bメロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
      2番 Cメロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○


   このようになります。 例えば、「2番」まである歌の「雛形」ができました。
   もちろん、これは、「決定」ではありません。 しかし、「雛形」がありませんと、「書きようがありません」ので、
   「仮」の「雛形」です。

   ここで、注意しておきたい事は、「1番」と「2番」は、「同じ」ということです。
   また、「1行」の「文字数」の順番も、とりあえず、「7+5 文字」の順にします。

   このように、「作詞」の「雛形」を、「自分なり」に、「仮」に、作っておけば、とりあえず、「原案(草案)」的な
   「作詞」の準備ができましたので、「作詞」が得意な方の場合は、「作詞」だけを先行して、どんどん、
   「書き溜める(ストック)」こともできます。

   ということで、私の場合の例ですが、「作詞」の「仮」の「雛形」について、ポイントを書いてみました。

   余談ではありますが、「都々逸」というものがありますが、これは、1行が、「七七七五」の定型詩です。
   もちろん、「俳句・川柳」は、「五七五」。 「和歌(短歌)」は、「五七五七七」 でした。





2。 「句読点」との関係

■ 「句読点」との関係 (句点[。]と読点[、])

  ・「文章」には、「句読点」というものがあります。 
   これは、文章を読みやすく、理解しやすくするためのものですが、「作詞」にも、そのようなものがあります。

   これも、「決まっている」わけではないのですが、「雛形」の一例として、こんな感じになります。


      1番 Aメロ = ○○○○○○○ ○○○○○、  ○○○○○○○ ○○○○○。
      1番 A'メロ = ○○○○○○○ ○○○○○、  ○○○○○○○ ○○○○○。
      1番 Bメロ = ○○○○○○○ ○○○○○、  ○○○○○○○ ○○○○○。
      1番 Cメロ = ○○○○○○○ ○○○○○、  ○○○○○○○ ○○○○○。

      2番 Aメロ = ○○○○○○○ ○○○○○、  ○○○○○○○ ○○○○○。
      2番 A'メロ = ○○○○○○○ ○○○○○、  ○○○○○○○ ○○○○○。
      2番 Bメロ = ○○○○○○○ ○○○○○、  ○○○○○○○ ○○○○○。
      2番 Cメロ = ○○○○○○○ ○○○○○、  ○○○○○○○ ○○○○○。


   要するに、「1行」が、「1文」ですから、「句読点」も、中間に「、」。 最後に「。」がある形となります。
   このようにしますと、「1行・1文」が、考えやすくなります。

   文は、大抵、「〜、〜。」として、考えますよね。 ですので、このように「句読点」を打って文を考えると
   「句読点」としての「区切り」ができ、より一層、考えやすくなります。



 ◆ また、「作詞」も、当然、「試行錯誤」しながら考えますが、この時、上記の「雛形」にすると、便利なことが
   あります。 わかりやすいように、「雛形」を書換えます。 また、「1番のAとA'だけ」で、説明しますと、
      (もちろん、BとCメロでも、交換することを試せます)

      1番 Aメロ = ○○○○○○○ △△△△△、  □□□□□□□ ◇◇◇◇◇。
      1番 A'メロ = ○○○○○○○ △△△△△、  □□□□□□□ ◇◇◇◇◇
                                  ↓
      1番 Aメロ = ○○○○○○○ △△△△△、  □□□□□□□ ◇◇◇◇◇
      1番 A'メロ = ○○○○○○○ △△△△△、  □□□□□□□ ◇◇◇◇◇。

   例えば、最初に、上記の作詞をしたとします。 しかし、特に、
   「Aメロ」と「A'メロ」が、なんかしっくりしない・・・。 なんてことがあったとします。 そんな場合、試しに
   「Aメロ」「A'メロ」とを、入れ替えてみると、いい場合があります。



 ◆ さらに、別の例ですと、「Aメロ」の「前半」と、「後半」を、入れ替えると、よくなる場合があります。
      (もちろん、A'。B。Cメロでも、同様に試せます)

      1番 Aメロ = ○○○○○○○ △△△△△、  □□□□□□□ ◇◇◇◇◇
                                  ↓
      1番 Aメロ = ○○○○○○○ △△△△△、  □□□□□□□ ◇◇◇◇◇。



 ◆ 場合によっては、さらに、細かく入れ替えを試す場合もあります。
   例えば、「5文字」のところを入れ替えてみる。(もちろん、「7文字」のところ同士を入れ替えても試せます)


   ・「5文字」のところを入れ替える例

      1番 Aメロ = ○○○○○○○ △△△△△、  □□□□□□□ ◇◇◇◇◇
                                  ↓
      1番 Aメロ = ○○○○○○○ ◇◇◇◇◇、  □□□□□□□ △△△△△


   ・「7文字」のところを入れ替える例

      1番 Aメロ = ○○○○○○○ △△△△△、  □□□□□□□ ◇◇◇◇◇。
                                  ↓
      1番 Aメロ = □□□□□□□ △△△△△、  ○○○○○○○ ◇◇◇◇◇。


   要するに、国語でいう、「倒置法」をしているわけです。 「作詞」の場合は、よく、こんなケースがでてきます。
   そんな場合、このような「仮」の「雛形」を規則的に作っておくと、「修正・変更」の作業が簡単にできます。
   ですので、「試行錯誤」の作業も、スムーズに時間的にも効率よく進められますので、おすすめです。





3。 「テーマ(主題)」

■ 「テーマ(主題)」

  ・「作詞」の内容で、まず、必要になることは、「テーマ(主題)」を、決めるということです。
   「テーマ(主題)」とは、「何」を書くか? ということです。 
   一番多いのは、「恋愛」関係のようです。 といっても、いろいろな時期・段階があります。 

   序盤である、「出会い」の時期、「恋の芽ばえ」の時期もあれば、中盤の「ハッピー」な時期、さらに、
   終盤の「別れ」。「失恋」もありますし、場合によっては、「再会」する場合もありうるわけです。
   ということで、単に、「恋愛」といっても、どの時期・段階かによって異なります。

   また、実際には、「2番」までの歌であれば、「8行」しか書けませんので、もっとシンプルにしなければ
   書ききれませんので、ある「場面」の断片をクローズアップして書くようなテクニックも必要になります。

   「テーマ(主題)」とは、「何」を書くか? といいましたが、「何」を言いたいのか? ということでもあります。
   要するに、「メッセージ」。「伝えたい事」。「訴えたい事」などのフレーズが具体的には、必要になって
   きます。

   そして、「失恋」であれば、具体的には、「恋の儚さ」を書く。といった感じです。

   ということで、「テーマ」といっても、「全体」的な大きなテーマもありますし、
   「メッセージ」部の具体的なテーマも考えなければなりません。 「起承転結」の「結」の部分がそれに当たり
   ます。 「起承転結」については、また、別に説明します。





4。 「ドラマ(物語)」と「起承転結」

■ 「ドラマ(物語)」と「起承転結」

  ・「ドラマ」とは、「物語」のことです。

   「恋愛」について、「好き」とか、「悲しい」とか、「感情的」なことばかり羅列しているような書き方ですと
   ただ、「うっとうしい」だけで、「共感」もできません。

   「共感」とは、「聞き手」も「同情」感が生じたり、自分も同じ立場になって、その世界に立ち会っているような
   気持ちになることです。

   そのためには、ただ、「好き」。「愛している」。「悲しい」など羅列されても、
   「聞いている」側としては、「ああそうですか・・・」としか、感じないものです。

   では、どうしたらいいか? 「ドラマ」を挿入するということです。 まさに、「小説」です。 
   「小説」については、別に書きますが、では、具体的にどう書いたらいいのでしょうか。
   それは、舞台を設定し、「ストーリー」を書くということです。

  ・具体的な内容。ストーリーを考えなければなりません。 また、その配置。配分も大切です。 
   「全体」としての、大きな流れとしての「起承転結」もありますし、
   「1番」の中の「起承転結」。 「2番」の中の「起承転結」。
   といった、各コーラス内での「起承転結」もあります。

   「起承転結」とは、話しの「導入・転換・結末」といった、「ストーリー」のことです。


      Aメロ = 「起」 = 導入。 話しの導入。状況・背景の説明や描写など。
      A'メロ = 「承」 = 導入。 「起」の延長。 さらに、詳しく描写。
      Bメロ = 「転」 = 転換。 問題提起。心境。気持ち。きっかけなど。
      Cメロ = 「結」 = 結末。 答え。結論。言いたい事。メッセージなど。


   「A(A')。B。Cメロ」の関係は、そんな感じです。 また、「1番」と「2番」の、「全体」の話しの流れも大切です。
   「1番」が「序盤(中盤)」であれば、「2番」は「(中盤)終盤」です。
   ただし、「時系列」が、一方向とは限りません。

   「1番」が「過去(回想)」。 「2番」が「今」。 の場合もありますが、
   「1番」が「今」。 「2番」が「過去(回想)」。 の場合もあります。

   その他、「1番」と「2番」とでは、「対比・変化」させる場合が普通です。
   「1番」が「序盤」。 「2番」は「終盤」も、いわば「対比・変化」ですし、


      ・「1番」が「朝」。 「2番」は「夜」。
      ・「1番」が「出会い(幸せ)」。 「2番」は「別れ(哀しみ)」。
      ・「1番」が「花が満開(幸せ)」。 「2番」は「花が散る(哀しみ)」。
      ・「1番」が「存在する(得る)」。 「2番」は「存在しない(失う)」。


   これは、切りがありませんが、とにかく、「1番」と「2番」はなんらかの形で、「対比・変化」させます。
   以上が、「作詞」の大まかな流れです。 「全体」では、次のようになります。


      「1番」(場面1)

         Aメロ = 「起」 = 導入。 話しの導入。状況・背景の説明や描写など。
         A'メロ = 「承」 = 導入。 「起」の延長。 さらに、詳しく描写。
         Bメロ = 「転」 = 転換。 問題提起。心境。気持ち。きっかけなど。
         Cメロ = 「結」 = 結末。 答え。結論。言いたい事。メッセージなど。

      「2番」(場面2)

         Aメロ = 「起」 = 導入。 話しの導入。状況・背景の説明や描写など。
         A'メロ = 「承」 = 導入。 「起」の延長。 さらに、詳しく描写。
         Bメロ = 「転」 = 転換。 問題提起。心境。気持ち。きっかけなど。
         Cメロ = 「結」 = 結末。 答え。結論。言いたい事。メッセージなど。


   もちろん、これは、雛形の一例ですので、実際の歌では、いろいろ変化。応用があります。




5。 「表現」の仕方

■ 「表現」の仕方

  ・「表現」の仕方とは、実際の「言葉」として、どう書くか。ということです。
   大別して、「直接」的な表現と、「間接」的な表現があります。

   「直接」的とは、気持ちを「そのまま」書くということです。 それに対して、
   「間接」的とは、「遠回し」に書く。ということです。

   「比喩」もそうですね。 例えていう言い方です。 また、
   「言葉」でいうのではなく、「動作」や「仕草」で表現する方法も、「間接」的な表現です。
   例えば、「手を握る」ことは、「好きです」と、「動作」で「間接」的に表現しているわけです。

   また、「二人の関係」は、「良い」状況なのか、それとも、「冷めてゆく」関係なのか・・・
   もし、場面が、「夕暮れ」時の公園のベンチであれば、なんとなく、「別れ」が近いような印象を受けます。
   このように、「状況・背景・風景」の「描写」による表現方法があります。

   このように、「説明」しないで書く。ということが、重要な書き方のポイントになります。
   どうしても、普段の「日常語」では、「説明」表現が多いです。

   しかし、「作詞」の場合、「説明」表現をしてしまうと、シラけてしまいやすいです。
   要するに、「雰囲気(ムード)」が、冷めてしまいます。
   その解消のために、「描写」表現という書き方を勉強してみましょう。

   その他、「表現」に関しては、いろいろありますので、お手持ちの作詞本で、調べてみてください。






6。 「書き過ぎない」。「余韻を残す」

■ 「書き過ぎない」。「余韻を残す」

  ・次に、「書き過ぎない」についてです。
   「行間」で語る。 「余韻を残す」。 とかもそうなのですが、なんでもかんでも、書きたいことを、
   「書き過ぎない」ということです。

   そもそも、「自由詩(ポエム)」と違い、「歌詞」は、スペース(文字数)の「制限」があります。
   「2番」までの曲で、「4行詩」で書く場合は、4行*2番 = 「計8行」 となります。

   たった「8行」というスペースで書かなければならないわけですから、そもそも、なんでもかんでも
   書くわけにはいきません。

   話しを戻し、「書き過ぎる」と、「説明文」や「作文」のようになりがちです。
   また、「書き過ぎる」と「リアル」過ぎて、「夢・空想」の異次元的な楽しみが遠のく感じがし
   いわば、「引いてしまいます」。「覚めてしまいます」。

   もちろん、「リアリティー」は、大切です。 ただ、「夢・空想」の世界。雰囲気がこわれないように
   「余計」な言葉は極力、減らします。


  ・「行間」だけではなく、同じように、「最後」の「結末」も、「余韻を残す」というテクニックがあります。
   「余韻を残す」とは、「決定的」な「結末」を「書かない」。 ということです。

   要するに、この話しは、どうなったか? どういう「結末」なのかは、一番「知りたい」ところですよね。
   しかし、あえて、「決定的・最終的」な「結末」を書かず、「方向性」だけを残して終わる書き方も、
   大変、多いです。

   「最終的」には結局、「たぶん・・・」、こうなるだろう。という「予測」を残し終わるので、
   たぶん、「結末」は想像通りになるのでしょうが、しかし、「断定」はできません。 
   「明確」に、「決定的・最終的」な「結末」が書かれていませんので・・・

   この「余韻」が、いつまでも気になりますし、この話しの「未来・将来・続き」はどうなったのだろうかと、
   「無限の広がり」を作ります。


  ・この手法は、「小説」でよくみられます。
   例えば、有名な作品ですと、川端康成の「伊豆の踊子」は、みなさんご存じだと思います。

   あの「学生さん」と「踊子」。 最後、どうなったのでしょうか?
   単純に考えれば、二人は、「伊豆(下田の港)」で「別れた」わけですから、「悲恋の恋物語」です。

   しかし、表向きでは、「学生さん」の「旅費」が底を尽きかけたので、東京に戻っただけです。
   もちろん、話しは、そんな単純な話しではなく、もっと「深い意味」があり、「建前」として「旅費」が尽きたと
   いっただけなんでしょうが、ともかく、二人は、「決定的」な「別れ」という「結末」をしているわけではありま
   せん。 なぜなら、踊子たちの家に遊びに来るように、「再会」の約束も、社交辞令や建前かもしれません
   がしています。

   このように、二人は、「伊豆(下田の港)」で別れたのは、「決定的」な理由があってわかれたのではなく、
   また、「決定的」な「最終的・結末」で終わっているわけではありません。まだ、「続く・・・」かもしれないわけ
   です。

   すなわち、この小説は、「余韻」を残して終わっています。 なので、
   「流れ(方向性)」は残っていますから、たぶん、「悲恋の恋」が「最終的な結末」なのかもしれませんが、
   「学生さん」も、精神が回復しましたし、1年たてば気持ちも高鳴り、それに、踊子たちの家に遊びに来る
   ように、「再会」の約束もあったのですから「会い」にいったかもしれません。

   ということで、「小説」は終わってしまっけれど、「楽しい想像」が「続きます」。

   同じように、「作詞」の場合も、「決定的」な「最終的」な「結末・結果」まで書かず、その「前段」で、「途中」で
   「余韻」を残して終わる書き方が、私も好きです。

   ということで、「作詞」の勉強には、「小説」がおすすめです。
   「小説」の技法をコンパクトにしたのが、「作詞」といってもいいくらいです。


  ・例を上げたらキリがありませんが、同じく、川端康成の長編小説「古都」も「余韻」を残して終わっています。
   「ヒロイン・千恵子」と、双子である「苗子」。 この二人は、赤子の時に生き別れ、やっと「再会」できた
   のに・・・。

   小説では、「決定的」な「最終的・結末」は書かれず、二人は「別れ」ていきます。
   まったく、「伊豆の踊子」と同じです。

   「古都」は、物語としては、まだ、「途中」のような話しの段階で終わっています。
   「春夏秋冬」の季節を一巡して完結はしていますが、物語的には、もう一冊、「続篇」が書けるほどに
   「今後の動向が気になる状態」で完結しているため、「続篇」がなかったのが残念です。。。
   たぶん、作者もたくさんの作品を書いていたので、書く余裕が残念ながらなかったのでしょう・・・。

   小説「古都」の「千恵子」と「苗子」。 この二人の未来は、「幸福」になるのでしょうか・・・?
   小説「伊豆の踊子」の「学生さん」と「踊子」の再会はあるのでしょうか・・・?
   「余韻」を残して終わる、小説ならではの書き方ですよね。

   このように、「余韻」を残した「小説」は、沢山ありますので参考にしてください。
   以上、「作詞」で気になるポイントを、一部ではありますが、ピックアップして説明してみました。





7。 「曲」との「すり合わせ」(微調整)

■ 「曲」との「すり合わせ」(微調整)

  ・最後は、「曲」と「詞」の「すり合わせ」です。 「曲先」でも、「詞先」でも、結局、同じなのですが、
   「曲」と「詞」の「文字数(字脚)」を、「一致」させなければなりません。

   しかし、「曲」を調整するということは、なかなか難しいものです。
   「一ヶ所」を、もし、修正すれば、どうしても、「前後のフレーズ」に影響が生じます。
   とにかく、「曲」で、微調整するということは、至難です。

   それに比べ、「詞」の方であれば、四苦八苦はするものの、なんとかなるものです。
   もちろん、「得意・不得意」ということもあるでしょうが、やはり、「詞」の方で調整したほうがいいと思います。

   先に、下記のような「仮」の「雛形」を説明しました。


      1番 Aメロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
      1番 A'メロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
      1番 Bメロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○
      1番 Cメロ = ○○○○○○○ ○○○○○  ○○○○○○○ ○○○○○


   しかし、上記のような「曲」は、「意識」すれば別ですが、「自由」に「作曲」することが普通ですから
   そうなりますと、このような「文字数」になることは、まず、ありません。 相当、違います。

   さらに、実際は、もっと、シビアです。
   例えば、Aメロ = ○○○○○○○ ○○○○○ の部分だけを見ても
   「日本語」として、不自然に聞こえないように作詞をしなければなりません。

   ○○○○ ○○○ ○○○○○ 
   上記、(4+3)+5 の、メロなら、「りんごは 赤い おいしそう」と、「りんごは」 「赤い」 「おいしそう」と
   音節が、日本語として、不自然に切れないように、確認・調整しなければなりません。

   とにかく、「メロ」の「文字数」は、実際には、まちまちですので、この「最終調整」。
   「曲」と「詞」の「すり合わせ作業」は、最後の壁。一苦労するところです。





8。 「作詞」についてのまとめ

■ 「作詞」についてのまとめ

  ・以上、簡単ではありますが、特に、大切な関係をピックアップしてみました。
   当然のことながら、「作詞」の「ノウハウ」は、沢山ありすぎて、書ききれませんので、この程度に止め、

   実際には、「作詞」の本に書かれているように、作詞の書き方・ノウハウがいろいろありますが、とりあえず、
   ここで書いたようなことを、まず、意識して作詞の作業をしてみてください。



■ 「作詞」の本

  ・「作詞」をやってみたくて、 「作詞」関係の本を買ってみたけれど、結局、作詞ができなかった・・・
   という人はおられませんか?

   それは、「作詞の本」とは、「国語(力)」(基礎)→「作詞」(応用)への、「応用段階」である、「ノウハウ(方法)」が
   書かれているからです。

   要するに、「国語(力)」という「基礎力」があることを、「前提」として、次の段階である「作詞」の「ノウハウ」を
   説明しているからです。 だから、「国語(力)」という「基礎力」がないと、当然、「応用段階」の「作詞本」の
   「ノウハウ」を読んでも意味がない。 役に立たないわけです。 なので、「作詞の本」を買ってはみた
   けれど、ちっとも作詞ができない。 となってしまうわけなんです。






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